「イライラ」怒り感情の対処法ー怒りの原因や背後にある感情とは?
私たちが日常的に感じる「怒り」。
怒りの感情が爆発したり、心の中でふつふつと燃え上がったりすることに、困惑させられることもあるのではないでしょうか?
しかし、怒りは決して悪者ではありません。
怒りの原因を理解することで、ストレスなく怒りと付き合っていくことができるのです。
この記事では、怒りの原因を掘り下げ、メカニズムや解決策について紹介していきます。
怒りとの付き合い方が少しでも楽になれば幸いです。
怒りはどこからくるの?
怒りは、どこから起こるでしょうか?
その原因を大きく分けると、以下のようなものが挙げられます。
期待が裏切られること
期待が裏切られることが、怒りの原因になることがあります。
人は直接言葉にしてお願いしていなかったとしても、前後の文脈などで、相手に期待することが多々あります。
期待通りになることもありますが、価値観やものの見方は人によって異なるので、ときに自分の想定とは異なる形で相手が動くこともあるのです。
たとえば、「これくらいのことを当然理解しているはず」という期待があったとします。
その期待が叶えられなかった場合、「どうしてわかってくれないの?」という怒りを感じることがあります。
私は、職場で、重要な会議の資料を同僚が準備していると思っていたのに、直前になって「まだ手をつけていない」と告げられる状況でイライラしてしまったことがあります。
「え、やっていてくれないの?大切な会議って分かってるよね?」と感じました。
自分の価値観に反する行動
価値観の違いは、怒りを引き起こす大きな要因です。
自分が大切にしているものを蔑ろにされると、自分自身が軽んじられたと感じてしまうことがあります。
たとえば、「時間を守ることは当たり前」という価値観を持つ人が、遅刻を繰り返す相手に対して怒りを感じるケースです。
具体的には、大切な友達だとしても、待ち合わせに毎回10分以上遅れてくるとなると、次第に「どうして時間を守れないの?」という怒りが積みあがることがあります。
実際に、時間を守れないことに我慢しきれず、距離を置くことにしたという友達がいました。
人によって大切にするものが違います。
自分が大して重要視していないことも、相手からすると非常に大切なことの可能性もあるため、注意が必要です。
コントロールできない状況へのいら立ち
物事が思い通りにならないとき、人はイライラしやすくなります。
全てが自分の思い通りにならないことを分かっていても、自分がコントロール効かないことで生じたことに対してはフラストレーションが生まれやすいです。
たとえば、交通渋滞や予期せぬ天候不良により、大切な予定が台無しになるとき「なんでこんなことに!」という怒りを感じます。
自分が楽しみにしていたり、大切にしていることほど、どうにもならない苛立ちが積もっていきます。
怒りの背後に隠れている感情とは?
怒りの原因を掘り下げると、その背後には「悲しみ」や「不安」、「孤独」などの感情があることに気付きます。
怒りはこれらの感情が表面化したものであり、自分の本心に気付くためのサインとも捉えることができるのです。
怒りを「嫌なもの」と遠ざけるのではなく、逆にしっかりと見て、自分が本当に感じていることを理解しに行くのがおすすめです。
怒りの背景には、どのような感情があるでしょうか。
下記で紹介します。
悲しみ
怒りの背景には「悲しみ」の感情が潜んでいることがあります。
たとえば、期待が裏切られたときの怒りの背景には、「もっと大切にされたい」「理解されたい」という思いが隠れていることが多いです。
あなたもぜひ経験を振り返ってみてください。
人は大切にしているからこそ期待が生まれます。
その思いが叶わなかったことに対する悲しみが、怒りという形で現れるのです。
不安
未来に対する不安が、怒りを引き起こすこともあります。
たとえば、部下が仕事で失敗したとき、その結果が自分にも悪影響を及ぼすのではないかと感じ、不安から怒りを感じるなどです。
どうなるか分からない不安定な感覚はそれだけでストレスです。
自ら不安定な状況を選んだわけでなく、外的要因で不安定にならざる得なかったときは特に、強い不安を感じ、イライラしてしまうことが多いでしょう。
孤独
孤独を感じるとき、怒りはその表現として現れることがあります。
たとえば、「自分だけが頑張っている」と思うと、周囲の協力や感謝が足りないと感じ、不満が怒りに変わることがあります。
また、「誰も自分を理解してくれない」という思いが積み重なると、孤独感が強まり、それが他者への攻撃的な感情として表出することもあります。
このような怒りの背景には、「自分をもっと認めてほしい」「理解されたい」という心の声があることが多いです。
怒りをコントロールする方法
怒りそのものは自然な感情ですが、そのままにしておくと、人間関係や自分自身に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。
そのため怒りをコントロールすることが重要です。
コントロールするためのいくつかの方法を紹介します。
深呼吸と時間を置く
怒りを感じた瞬間に衝動的に反応してしまうと、状況を悪化させることがあります。
怒りが爆発してしまう事態を避けるためには、一旦深呼吸をして時間を置くことが大切です。
怒りがこみ上げたとき、まずは大きく息を吸い、ゆっくり吐き出すことで心拍数を落ち着け、冷静さを取り戻しましょう。
たとえば、数を数えながら呼吸を整える方法は、感情の高ぶりを抑えるのに効果的です。
また、私は「自分怒ってる。大丈夫か?」と自分を実況中継しています。
とりあえず、怒りの感情がピークに達するのを防ぐことで、感情に任せた行動や言葉を避けられるのでおすすめです。
冷静な頭で状況を見直すことで、適切な判断ができるようになり、問題解決の道筋を見つけることができます。
怒りの原因を見つける
怒りを感じたとき、その感情をただ否定するのではなく、「なぜ自分は怒っているのだろう?」と問いかけることが重要です。
怒りは、自分が本当に大切にしていることを知らせてくれるサインでもあります。
怒りを紐解くと、別の感情が隠れていますので、そこにまずは自分が気付くことが重要です。
たとえば、怒りに「自分は何で怒っているの?」と聞いてみると、「本当は分かってほしかったのに……」「自分は大切にしているものだったのに、軽んじられて悲しい……」などの感情が出てくることがあるのです。
自分にバリアを張らず、本音を吐き出し、怒りの背景にある思いに気づくことで、自分が本当に大切にしたいことに目を向けるきっかけとなります。
また、怒りの原因を探る過程で、自分自身の問題に気付く場合もあります。
強がらず、本心を一旦出すことが大切です。
別の視点を持つ
怒りを感じたとき、その感情に振り回されるのではなく、「別の視点」を考えてみることも大切です。
たとえば、相手が約束を守れなかった場合、「だらしない」と決めつけるのではなく、「忙しすぎて時間が足りなかったのかもしれない」と捉えることで怒りが和らぐことがあります。
私は、「自分はこう思ったけど、もし○○さんがこの状況を見たらどう思うかな?」と別の人の視点を考えるようにしています。
○○さんにあたる部分は、自分が尊敬する人などを持ってくると考えやすいです!
このように、物事を多面的に考える癖をつけると、感情のコントロールがしやすくなるのでおすすめです。
また、様々な視点で考えられると怒りの表現も柔らかくなります。
怒りの表現は、攻撃的な言葉や態度になりやすいです。
ですが、別の人の視点や相手の立場に立って状況を眺められれば、相手に自分の気持ちを伝える際も落ち着いて話すことができるでしょう。
たとえば、「どうしてこんなことをしたの?」と責めるのではなく、「仕方ない部分はあったかもしれないけど、あなたの行動で私は悲しくなったよ」などの表現に変わったりします。
怒りは、私たちが心の中で何かを大切にしているからこそ生じる感情です。その原因を理解し、向き合うことで、怒りともうまく付き合っていくことができます。
次回、怒りを感じたときには、一歩立ち止まって自分の気持ちを整理してみてください。その一瞬が、怒りを抑えることだけでなく、自分自身の成長や人間関係の改善につながるでしょう。