「人を頼れない」「人に頼られる」ことがしんどい……原因と対処法を紹介
転職半年。
中途で入社したので、新人とは言えなくなる雰囲気で、人を頼れません。
本当は、業務自体初めてのことばかりで手探り状態なので、フォローがないとしんどいです。
入社後は新しいことばかりで大変なのに、誰にも頼りにくいとなると、さらにきついです。
今回は、なぜ人に頼れないのかの原因と対策をお伝えしますね!
この記事を監修した人
名前
かに(一般財団法人生涯学習開発財団認定コーチ)
経歴
“3か月でごきげんに働くわたしになれる”
がんばりやさんがごきげんに働く道のりを紹介する
「かにちゃんのごきげんジョブチャンネル」を運営
・人事系研究員(専門:20~30代の職場活躍・職場コミュニケーション実践)
・大手転職エージェント(企業向け採用コンサルティング・求職者向け転職アドバイス)
・個人向けコーチング・カウンセリングの提供
美味しいごはんと温泉が好き
この記事を監修した人
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かに(一般財団法人生涯学習開発財団認定コーチ)
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・大手転職エージェント(企業向け採用コンサルティング・求職者向け転職アドバイス)
・個人向けコーチング・カウンセリングの提供
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人に頼れない原因
まずは、人に頼れない原因について考えていきましょう。
自分はどれが当てはまるか検討していってくださいね!
昔から頼られる側だった
人に頼れない原因の一つとして、幼いころから、頼られる側に回ることが多かったということが考えられます。
例えば”長女気質”などと言われることがありますが、「お姉ちゃんだから頑張らなきゃ!」「自分でなんとかしなくては!」という考え方や生き方が当たり前になってしまうと、そもそも、頼り方が分からなくなる場合もあります。
また、しっかり者で頼られてきた、その性質によって人を喜ばせてきたという経験があると、本当は自分がつらくて愚痴や弱音を吐きたいときにも、相手のことを優先し無理をしすぎてしまう可能性があります。
つらくても、気丈に振舞えるのが頑張り屋さん。
本当にすごいパワーと才能を持っている方が多いです。
体験談
私自身は「頼れる人」という印象を持ってもらうことが多いです。
それ自体は有難いことなのですが「”頼れる人”という印象を守ろう」と自分を縛ってしまったことがありました。
弱さも持って当たり前なのに、「強い自分でいなければ!」と弱さを隠そうとしてしまったんですよね。
そんなことをしていると、疲れますし自分に嘘をついているような感覚に苦しくもなりました。
自分が壊れてしまいそうだったので、一旦立ち止まって等身大の自分を見返す時間を取ったのでした。
そのおかげで、頼れる人になりきる呪縛を少しずつ外していくことができました。
幼少期の経験による特徴
甲南大学 文学部 人間科学科 北川 恵 教授によると、幼少期に安心感を得にくい「アタッチメント」を経験してきた場合、困ったときに人に頼りにくい傾向があるとのこと。
そもそも、「アタッチメント」とは何でしょうか?
- 「アタッチメント」とは、危機的場面で、特定の他者にくっついて、安心・安全を得ようとする心理のこと。
- いつでも安心してアクセスできる、「避難所」のような場所が人には必要。
たとえば、あなたが水の貴重な地域に住んでいたとしましょう。
「この水飲み場から離れたら、次いつ飲めるかわからない」という状況になったら、不安でその場から離れ難くなりますよね。
「どんなときも、ここに来れば水が飲める」という状況であれば、安心してその場から離れることができ、自分の足で外に向かっていけるはず。
つまり、私たち人には安全な避難所や安心の基地が必要であり、そういう人や場所があると思えるから、さまざまな挑戦や活動ができ、自律に向かうことができるのです。
https://www.konan-u.ac.jp/konan-planet/academic/attachment_today/
幼少期のアタッチメントの経験によって、”人に頼れる・頼りにくい”の傾向に繋がってきます。
https://www.konan-u.ac.jp/konan-planet/academic/attachment_today/
人には、ピンチのときに立ち返れる安心した場所が必要なのですね。
安心レベルは様々でも、そういった場所を増やしていけるとよさそうですね。
後半で対策をお伝えしますが、アタッチメントは大人になってからでも変化する可能性があるとのこと!
一緒に成長させていきましょう~!
ただただ忙しい
仕事が忙しいとなると、頼ることさえ億劫に感じてしまうことがあります。
人にお願いするには、コミュニケーションを取らなければいけません。
そのコミュニケーションになれていなかったり、抵抗感があったりすると、「頼る」行為から気持ちが遠のいてしまいます。(理由を作って避ける場合もあります)
頼り方コミュニケーションを覚えて、慣れていくことが出来れば、その方法を何回でも転用できるので、時間短縮のためにも、頼り方を覚えていくことは大切です!
人が信頼できない
人にお願いするということは、その人を頼り、任せるということです。
もし相手が信頼に欠けた行動をした場合、自分が後処理をしなければいけない可能性も生まれます。
そのような怖さは一定多くの人が持ち、様々な経験をしながら人を見る目を養っていきます。
しかし、過剰に相手を信頼できず、頼ることが難しい状況は、自分の内面に下記のような要因が組み合わさっている可能性があります。
- 信頼関係が崩れた経験: 過去に信頼していた人から裏切られた経験がある場合、新たな人に対する信頼が難しくなることがあります。
- 不安や恐怖の感情: 過去の経験やトラウマから、人に対する不安や恐怖を抱くことがあります。この不安や恐怖感が、人を頼ることへの抵抗感を生むことがあります。
- 過剰な疑い: 自分が作り上げた想像によって、過剰な疑いや不信感が生まれる可能性があり、信頼が難しくなります。
Noを言われるのが怖い
相手に断られることで、自分が傷つくリスクを避けようとする気持ちが働くことがあります。
断られることが怖いと感じるのは、「断られる=自分自身への否定」として受け取っている可能性が高いです。
このような感情の背景は、下記のようなことがある可能性があります。
- 自己評価: 自己評価が低い場合、自己否定として受け止めやすくなります。
- 依存心: 人に頼ることで、その人の承認や支持を得ようとする依存心が強い場合、断られることが特につらく感じられます。
- 過去の経験: 過去に人に頼んだ際に断られた経験がある場合、それが今後の行動に影響を与えることがあります。このような経験から、「また断られるのではないか」という不安が生まれることがあります。
私の体験談
自分の内面に原因がある場合は、カウンセリングなどで専門家にヒアリングしてみる方法もありだと思っています。
感情が豊かな人は特に、自分では抱えきれない感情が生まれることもあるでしょう。
そのようなとき、一人で抱えず周囲を頼ることは適切な選択だと考えています。
私も日々、コーチングとカウンセリングを併用して、自己メンテナンスをしています。
(後半に紹介していきます)
人に頼れるようになる方法
では、人に頼れるようになるために、どのようなことをしていけばよいでしょうか。
出来るところから、やってみてください!
小さいお願いから何度も繰り返し練習してみる
「人に頼る」ということは、スキルの1つとも言えます。
いままでやってこなかったり、苦手意識を持っていたりする場合、ハードルの低いところから繰り返し練習をし、慣れていくことが大切です。
最初からはうまくいきません。小さなステップから始めて、試行錯誤していきます。
たとえば1日1つのお願いをするなど小さなところから始めるのはいかがでしょう。
「卵買ってきて~」「メール送っておいて~」など、日常に溢れる些細なところから!
私の体験談
私は、お願いしやすい人に小さなお願いを、最初は意識してやっていました。
「迷惑じゃないかな……」と不安も感じていたのを覚えています。
あるとき、お願いした人から「頼ってくれてありがとう」と言われた経験から、人を頼ることはイコール迷惑とも言い切れないんだなということを学びました。
心理面の背景にアプローチする
人に頼むのが出来ない背景には、幼少期の出来事やトラウマが引っ掛かりとなっている可能性があります。
こういった心理的背景が大きい場合は、アプローチ的にコーチングよりもカウンセリングの方が適切です。
今はカジュアルにカウンセリングを受けられるサービスなどもありますので、検討してみるのもありでしょう。
相手の立場を考える
「頼ってしまうと、相手の迷惑になるんじゃないか…?」という不安から頼れない人もいると思います。
そのようなときは、少し引いた目線で、相手は本当に嫌だと思っているかな?と考えていただきたいです。
相手だって、誰かに頼っていたこともあるのではないでしょうか?自分がされて嬉しかったことを今度は誰かに還元したいと思っている人もいるかもしれません。
または、誰かに頼られると嬉しいと思う人もいるでしょう。
教えることで、自分の言語化スキルを高めたいと思っている人もいたりします。
さらにチーム単位で考えてみると、見え方がまた変わります。
人に頼るアクションは、協力やチームワークの一環であり、チームのつながりを強くする機会ととらえることもできるのです!